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ぐっと膝を曲げてジャンプする。手首のスナップを効かせてボールを回転させながら、ゴールの真上から落ちるようにと放つ。高く、大きな放物線を描いて理想どおりのシュートが決まった。ゴールの網さえ揺らさず、とーん、と真上から落ちるようにボールは鉄の輪を通過する。それが何よりも美しいと思うのだ。
(ま、網が揺れないのはゴールの網が古く大きく伸びてしまっているからなんだけどねぇ)
古くない網のゴールでは、同じようにいかない。真上からボールが落ちるようにシュートが決まれば、波ひとつない水面に何か物体がまっすぐ落ちたときのように跳ね返る。それはそれで美しいので気に入っているが、ゴールを揺らさないシュートが一番気に入っているのだ。
「美しいな」
そう、美しいのだ、・・・って。
「おまえのシュートは美しいな、高野」
Tシャツの袖で汗をぬぐっていると後ろからイケメンボイスで賛辞されたかと思えば、シュバッと良い音を立ててシュートが決まった。てーんてーんてーん、と転がるボールを眺めつつ、なんでこいつが第三体育館に・・・と思わずにはいられない。
「・・・それほどでもないですよ、緑間さん」
くるり、と振り返ればめがねを押し上げている緑間がたっている。足元にはテティベア。あぁ、今日のラッキーアイテムか。それにしては大きいなぁ。授業中、よく怒られなかったものだ。
「赤司も褒めていた。あいつが褒めることはめったにないし気になったが、言うとおりだったようだ」
「はぁ・・・そう大層なものじゃないんですが」
「・・・ちなみに、俺もあまり人を褒めることはない。好意とは素直に受け取っておくものなのだよ」
はぁそうっすか。変人にしてはまともなこといいますね。なんていえるはずもなく、「はぁ、ありがとうございます」とだけ返しておいた。お気に召さないのか、緑間はきれいな顔を不機嫌そうに歪めてため息をつき、足元にあったテディベアを抱える。緑間が持つと普通サイズに見えるという不思議。いつも思うけど、君ら大きすぎやしないだろうか。
「なぜこのような設備も整っていない体育館で練習などしているのだ」
「いや、別に・・・」
君らがいるから第一体育館にはいきたくないんだよ!なんてやはりいえるはずもなく。
「一人で集中したかったんです」
へらり、と笑って無難なことを返した。その言葉をうけて緑間はさらに不機嫌そうに顔を歪め、「そうか」とだけ言って体育館を出て行く。
おまえ何しに来たんだよ。
「てっきり黒子さんに用事があるかと思ったんですが、なんだったんですかね」
「さあ・・・でも、僕に用事があるだなんてことはないと思いますよ」
そもそも僕のこと知らないと思いますし、と緑間が出て行った扉を眺める黒子と顔を見合わせ、もう一度体育館の入り口である扉を見やった。
なんだったんだ、本当に。
「それにしても高野さんは僕によく気づきますね」
「まぁ趣味とはいえ武道をしているので、なんとなくわかるんですよ」
=============================-
赤司が珍しく褒めていたら興味がわいてみにきたら本当で、ついついここで練習せずとももっといいところで練習したらもっと良くなるだろうに、って思っちゃって口出しちゃった真ちゃんでした。
帰りながらなんであんなこといったのかちょっとよくわからなくなってればいいですね。
いつのまに黒子っちと仲良くなってます。
(ま、網が揺れないのはゴールの網が古く大きく伸びてしまっているからなんだけどねぇ)
古くない網のゴールでは、同じようにいかない。真上からボールが落ちるようにシュートが決まれば、波ひとつない水面に何か物体がまっすぐ落ちたときのように跳ね返る。それはそれで美しいので気に入っているが、ゴールを揺らさないシュートが一番気に入っているのだ。
「美しいな」
そう、美しいのだ、・・・って。
「おまえのシュートは美しいな、高野」
Tシャツの袖で汗をぬぐっていると後ろからイケメンボイスで賛辞されたかと思えば、シュバッと良い音を立ててシュートが決まった。てーんてーんてーん、と転がるボールを眺めつつ、なんでこいつが第三体育館に・・・と思わずにはいられない。
「・・・それほどでもないですよ、緑間さん」
くるり、と振り返ればめがねを押し上げている緑間がたっている。足元にはテティベア。あぁ、今日のラッキーアイテムか。それにしては大きいなぁ。授業中、よく怒られなかったものだ。
「赤司も褒めていた。あいつが褒めることはめったにないし気になったが、言うとおりだったようだ」
「はぁ・・・そう大層なものじゃないんですが」
「・・・ちなみに、俺もあまり人を褒めることはない。好意とは素直に受け取っておくものなのだよ」
はぁそうっすか。変人にしてはまともなこといいますね。なんていえるはずもなく、「はぁ、ありがとうございます」とだけ返しておいた。お気に召さないのか、緑間はきれいな顔を不機嫌そうに歪めてため息をつき、足元にあったテディベアを抱える。緑間が持つと普通サイズに見えるという不思議。いつも思うけど、君ら大きすぎやしないだろうか。
「なぜこのような設備も整っていない体育館で練習などしているのだ」
「いや、別に・・・」
君らがいるから第一体育館にはいきたくないんだよ!なんてやはりいえるはずもなく。
「一人で集中したかったんです」
へらり、と笑って無難なことを返した。その言葉をうけて緑間はさらに不機嫌そうに顔を歪め、「そうか」とだけ言って体育館を出て行く。
おまえ何しに来たんだよ。
「てっきり黒子さんに用事があるかと思ったんですが、なんだったんですかね」
「さあ・・・でも、僕に用事があるだなんてことはないと思いますよ」
そもそも僕のこと知らないと思いますし、と緑間が出て行った扉を眺める黒子と顔を見合わせ、もう一度体育館の入り口である扉を見やった。
なんだったんだ、本当に。
「それにしても高野さんは僕によく気づきますね」
「まぁ趣味とはいえ武道をしているので、なんとなくわかるんですよ」
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赤司が珍しく褒めていたら興味がわいてみにきたら本当で、ついついここで練習せずとももっといいところで練習したらもっと良くなるだろうに、って思っちゃって口出しちゃった真ちゃんでした。
帰りながらなんであんなこといったのかちょっとよくわからなくなってればいいですね。
いつのまに黒子っちと仲良くなってます。
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