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なんのこっちゃと思いながら説明を受けると、どうやら過去にさかのぼって歴史を改変しようとする団体がいて、それを阻止して欲しいとのことらしい。「無理です」と答えれば「あなたには資格があります」なんて言い、サニラ?とかいう能力があるという。何故、と問えば、このあいだの健康診断での結果だそうだ。なるほど、そのサニラ?とかいう特殊能力を保持する人間を選別するためのものだった、と。その結果に基づいて少しでも能力がある者をスカウトしているらしいが、勝手な話である。
「申し訳ございませんが、私にはそのような重責を負う覚悟もなにもありませんし、自分で言うのもなんですが、結構な無責任です」
「あなたの社長は、そうは仰ってはいませんでしたが」
「社長は仕事をしている私しか知りませんから」
「これも、仕事のようなものです」
「自分の命がかかっているのですよね?」
「はい」
「……」
「隠しだしても、仕様のないことですから」
黙って見つめれば、警視総監殿は苦笑する。はっきりと言うなぁ、なんて思っていたことが顔にでていたらしいが、こちらも隠すつもりもなかったのだから慌てることはしない。
「……私でなくても、良いと思います」
「何故?」
「何故、とは私が聞きたいです。話しぶりを聞くに、他にもサニラ?という資格を持つ方はいらっしゃると思います」
「正しくはさにわ、です」
「あっすすみません……」
「いえ、大丈夫です。確かに、あなた以外にもいらっしゃいます。ですが、あなたは飛びぬけて数値が良い」
「……さにわ、としての、適正値、とかいうやつですか?」
「そうです。全国各地で行った測定によれば、あなたはトップクラスです」
そんな馬鹿な。
そう思えど、心当たりがあり閉口する。
そう、自分にはちょっとばかし、いや、かなり厄介な過去があったのだ。
忘れるに忘れることなどできない、厄介な世界の数々。折角、こうして平凡な生活を手に入れてのんべんだらりと暮らしているというのに、どうやら彼は、彼女は、自分を放置してくれないようだった。この魂が続く限り。
なんの呪いだろう。
大きく、ため息をついた。
「……あの健康診断の結果がでてからそう日にちはたっていませんし、国としては、火急速やかに対処したいところですよね」
「そうですね」
「断れば?」
問いには答えず、にこり、と笑う。なるほど。頭を抱えそうになるのを寸前のところで我慢して、口を開く。
「条件は?」
「お話が早い」
「えぇ、まぁ、あははは……」
感心したかのように目を見張り、次いで笑う警視総監殿に、渇いた笑いを漏らす。
この人生では経験しておらずとも、残る記憶が教えてくれる。数奇なる命を繰り返してきた本能が告げる。
逃げられないよ。
なんて、そう、言うのだ。
ならば飛び込むしかないだろう。
諦めが肝心とはよく、言ったものだ。自分の人生は正しく、その言葉通りなのだろうと思う。今回こそ、平凡に死ねると思ったのになぁ、なんて、ため息をつきながら、警視総監殿に居住まいを正した。
「私の命を懸けるのです。生半可な条件では頷かないと思ってください」
「……なるほど。あなたは中々、手ごわそうですね」
「簡単に篭絡できるなんて思わないでください」
「ははっ、よろしい。そのぐらいでないと審神者は務まらない」
「条件の提示を」
伊達に数えることさえもやめてしまった年数を積み上げてないのだ。少しでも有利にに事を進めさせてもらう。
「簡単に頷くと思わないでくださいね」
そう、にこりと笑って告げた。
***
「俺、加州清光。川の下の子でーす」
「お、おぅ……」
懇切丁寧なこんのすけという狐に習い、初めての刀を選んでみた。言われるがままに選んだ刀に触れると、まるで魔法少女の変身シーンかと思うほどの顕現の仕方で、現れた刀剣男子と呼ばれるつくも神は見目麗しい少年だった。
そして、軽い口調で重いことをいう。
驚くなと言う方が可笑しい。
「ん?なに?あんたが俺の主?」
「あ、はい。高野空と言います」
「ふーん……。ま、可愛がってくれるなら誰でもいいや」
「はぁ」
「よろしくね、主」
「あ、はい、よろしくお願いします」
にこり、と笑う美丈夫に、なにやら厄介そうな臭いがぷんぷんするぞ、と思いながら笑顔で差し出された手を握った。
==============
とうらぶ二回目。
初期刀は清光です。
そうです、しおの初期刀です。
そして跳躍主です。いやすみませんめんどくさかったというかほら義経主従いるからからめずにはおれなかったというか私も業が深いですね?!
そんなわけでとうらぶ、少しでもお付き合いいただければ嬉しいです。
「申し訳ございませんが、私にはそのような重責を負う覚悟もなにもありませんし、自分で言うのもなんですが、結構な無責任です」
「あなたの社長は、そうは仰ってはいませんでしたが」
「社長は仕事をしている私しか知りませんから」
「これも、仕事のようなものです」
「自分の命がかかっているのですよね?」
「はい」
「……」
「隠しだしても、仕様のないことですから」
黙って見つめれば、警視総監殿は苦笑する。はっきりと言うなぁ、なんて思っていたことが顔にでていたらしいが、こちらも隠すつもりもなかったのだから慌てることはしない。
「……私でなくても、良いと思います」
「何故?」
「何故、とは私が聞きたいです。話しぶりを聞くに、他にもサニラ?という資格を持つ方はいらっしゃると思います」
「正しくはさにわ、です」
「あっすすみません……」
「いえ、大丈夫です。確かに、あなた以外にもいらっしゃいます。ですが、あなたは飛びぬけて数値が良い」
「……さにわ、としての、適正値、とかいうやつですか?」
「そうです。全国各地で行った測定によれば、あなたはトップクラスです」
そんな馬鹿な。
そう思えど、心当たりがあり閉口する。
そう、自分にはちょっとばかし、いや、かなり厄介な過去があったのだ。
忘れるに忘れることなどできない、厄介な世界の数々。折角、こうして平凡な生活を手に入れてのんべんだらりと暮らしているというのに、どうやら彼は、彼女は、自分を放置してくれないようだった。この魂が続く限り。
なんの呪いだろう。
大きく、ため息をついた。
「……あの健康診断の結果がでてからそう日にちはたっていませんし、国としては、火急速やかに対処したいところですよね」
「そうですね」
「断れば?」
問いには答えず、にこり、と笑う。なるほど。頭を抱えそうになるのを寸前のところで我慢して、口を開く。
「条件は?」
「お話が早い」
「えぇ、まぁ、あははは……」
感心したかのように目を見張り、次いで笑う警視総監殿に、渇いた笑いを漏らす。
この人生では経験しておらずとも、残る記憶が教えてくれる。数奇なる命を繰り返してきた本能が告げる。
逃げられないよ。
なんて、そう、言うのだ。
ならば飛び込むしかないだろう。
諦めが肝心とはよく、言ったものだ。自分の人生は正しく、その言葉通りなのだろうと思う。今回こそ、平凡に死ねると思ったのになぁ、なんて、ため息をつきながら、警視総監殿に居住まいを正した。
「私の命を懸けるのです。生半可な条件では頷かないと思ってください」
「……なるほど。あなたは中々、手ごわそうですね」
「簡単に篭絡できるなんて思わないでください」
「ははっ、よろしい。そのぐらいでないと審神者は務まらない」
「条件の提示を」
伊達に数えることさえもやめてしまった年数を積み上げてないのだ。少しでも有利にに事を進めさせてもらう。
「簡単に頷くと思わないでくださいね」
そう、にこりと笑って告げた。
***
「俺、加州清光。川の下の子でーす」
「お、おぅ……」
懇切丁寧なこんのすけという狐に習い、初めての刀を選んでみた。言われるがままに選んだ刀に触れると、まるで魔法少女の変身シーンかと思うほどの顕現の仕方で、現れた刀剣男子と呼ばれるつくも神は見目麗しい少年だった。
そして、軽い口調で重いことをいう。
驚くなと言う方が可笑しい。
「ん?なに?あんたが俺の主?」
「あ、はい。高野空と言います」
「ふーん……。ま、可愛がってくれるなら誰でもいいや」
「はぁ」
「よろしくね、主」
「あ、はい、よろしくお願いします」
にこり、と笑う美丈夫に、なにやら厄介そうな臭いがぷんぷんするぞ、と思いながら笑顔で差し出された手を握った。
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とうらぶ二回目。
初期刀は清光です。
そうです、しおの初期刀です。
そして跳躍主です。いやすみませんめんどくさかったというかほら義経主従いるからからめずにはおれなかったというか私も業が深いですね?!
そんなわけでとうらぶ、少しでもお付き合いいただければ嬉しいです。
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